TV『ウルトラマンX』DVD&Blu-ray BOXⅡ発売!

脚本を担当した特撮TVシリーズ『ウルトラマンX』第12話が収録された、

DVD/Blu-rayBOXⅡが3月25日に発売されます。

ウルトラマンTVシリーズ最新作が豪華特典満載のBlu-ray BOXで登場!

ウルトラマンの新たな世界観、新たなストーリーで贈るTVシリーズ『ウルトラマンX』のBlu-ray BOX第2弾。

怪獣の力を纏って戦う、史上初のサイバーテイストウルトラマン!

その大迫力の特撮映像の魅力を余すところなく収録!

第12話〜最終話。メイキングや未公開シーン集等、豪華特典付き!


■第12話「虹の行く先」

 怪獣デマーガが宇宙から降り注いだ未知のエネルギーを浴びてツルギデマーガへとパワーアップ! エックスはエネルギーの悪影響により危機に陥り、大地とのユナイトを強制解除して姿を消した…。大地はエックスを探すために生身では危険な電脳空間に飛び込む! 一方、地球に現れた謎の女はマグマ、シャプレー両星人を従え、密かな陰謀を巡らせる。果たして大地は無事エックスを探し出し、勝利の希望を掴むことが出来るのか!?

監督・坂本浩一 / 脚本・内田裕基


このあらすじ、毎度思うのですが内容と若干噛み合っていない気がする……(笑)

そんな第12話ですが、第1話〜11話・ギンガS編・更にその先にある最終話「虹の大地」を繋げる、1話完結ではないXの中では珍しいブリッジ的なエピソードとなっております。

11話で出たサイバーゴモラを他の話数でも違和感無く登場させるためにアスナが使用出来るようになる、最終話まで続く要素であるダークサンダーエナジーが出る、ギンガS編に続くゲストの敵キャラを出す、新アイテム・エクスラッガーを出してエクシードXに進化する、などなど……。

20分程度の本編の中に収まるのか!?という要素の多さですが、坂本監督の手腕により超スピーディーで迫力満載な色濃いエピソードにエクシードいたしました。

(それでもまだ脚本にする際に削った要素があったりします)

一視聴者として、そこまでやるか!?なケレン味たっぷりの特撮やアクション満載の純粋に楽しくて熱い回で、坂本監督すごい……としか言いようがない(笑)

やらなければいけないオーダーが多いこともあり新人にはハードルの高い話でしたが、シリーズ構成やプロデューサーの皆様、そして坂本監督のお力添えのお陰で何とか走りきる事が出来ました。

駆け出しの若輩者にチャンスを与え、具現化に奔走して頂いたスタッフ・キャストの皆様には感謝が尽きません。



当初依頼を受けた時は要素を詰め込みすぎて話がダイジェスト的に・歪になりすぎる怖さがあり書くことにほんの少し躊躇がありました(プレッシャーやら色んな意味で)

でも書く前からこの作品のことが大好きになっていて、是非自分も参加したいという気持ちの方が強かった。

12話である程度の必要要素を出し切れば、今後に続いていくエピソードへの負担も減るんじゃないか、と、今後の話を活かす為に必要なエピソードなのだと思えたんですよね。

それがまさに繋いでいくことであり、最終話「虹の大地」にリンクする「虹の行く先」というタイトルになったことがこのエピソードのすべてなのかなと。


「俺たちはずっと一緒だ、お前を離さない!」

苦難を乗り越えXを取り戻した大地は、こんな台詞を言ってエクシードXに進化します。

安易に付けた台詞でなく、スタッフの皆様の力を借りながら何度も推敲し、色々なことを考えた末に絞り出てきた大地の言葉です。

作品に参加する際に企画書や既に出来ている脚本に目を通した時、大空大地という人物に一番惹かれました。

15年前に失った親のことを、研究を受け継ぐことでずっと思い続けている。

そんな大地の陰の部分に共感してしまったのかもしれません。

なので、書く時にずうっと考えていたのは大空大地のこと。

親と会えない辛さや寂しさを感じている大地の心に共鳴したのがXだとしたら、

心を一つにしてユナイトしてきた彼はその穴を埋める存在なのではないか。

コミュニケーションって心と心を通わすことだけど、相手の心が読めないからこそ探り甲斐があるし、分からない難しさがいっぱいある。

でも心を一つにするユナイトならそれが出来る。

人間が長い時間を掛けて踏んでいくコミュニケーションのステップを、ユナイトなら軽々と飛び越えられる。その先にある関係性って友情だけはない、家族のようなかたちに近い気がしたのです。

そんな大地と絆を育んできたXが粒子になって消えてしまい、両親のように二度と会えないかもしれない……。

そうなったときに猪突猛進に危険に身を投じていく大空大地に、最初は少し違和感があったのは事実です。

親との思い出が悪夢のようにフラッシュバックし、友の喪失を前に立ち直れないほどショックを受けるんじゃないか、そんな行動に移れないんじゃないか……。

そんなことを思いながらもその時の自分が納得出来る大地の台詞を書いたのですが、

大空大地(高橋健介くん)の実際の芝居を見て完全にすとんと腑に落ちたんですよね。

大地は最初から信じる力を持ったずっと強い子だったんだなって、Xとの出会いが大空大地を成長させてもいて、そんな強さがあるからこそ彼はウルトラマンになれたのだな……と。

だからエクスラッガーを掴んでXを取り戻す事が出来たし、無神経に「お別れだ!」とか言ってしまうXに怒りや再び出会えた喜びをぶつけた末に出てきた言葉が「ずっと一緒」だったり、「離さない」なのかな。

ぼくが想像した大地の気持ちを、大地本人が今までの積み重ねで掴んだ説得力のある芝居で遥かに上回って具現化する、という脚本家冥利に尽きるシーンに結果的になっていたのです。



長々とまとまりなく書いてしまいましたが、映像に乗っかっている事がすべて、観ている方の解釈がすべてなのであまりお気になさらず……。

今後あまりお話する機会は無いだろうと思い、12話を書いていた時のことを文章にしてみました。

自分のテレビデビュー作というのもあるのですが、好きだったウルトラマンという番組に携わることが出来て、尚且つ番組が面白く楽しいものになっていることがとても幸福で、『ウルトラマンX』は大好きな作品です。

だから、また大地とXやXioの皆に会える日が来ることを祈る祈る……。